燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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稲荷山その16:間ノ峰荷田社神蹟に祀られる伊勢大神

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<2022年4月 記事内容改訂>

はじめに

今回は三ノ峰と二ノ峰の合間にある、間ノ峰について。
今までの稲荷山の記事はこちら
 
マップは以下の通り。
番号が振ってあるのは、お塚の台座の番号だ。
(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)

 

間ノ峰


三ノ峰から参道を更に進んで行くと、間ノ峰というエリアに辿り着く。
このエリアは他の峰に比べると比較的静かな印象がある。
 
また、間ノ峰の茶店は「いせや」という店がかつては営業していたが、貼り紙を見るに今は閉めてしまったらしい。
 

荷田社神蹟


間ノ峰には荷田社神蹟がある。
このエリアの入口に立つ鳥居は「奴祢鳥居」*1という、破風扠首束*2の付いた珍しい様式の鳥居であるらしい。
 


荷田社神蹟に祀られるのは伊勢大神だ。
伊勢大神と聞くと真っ先に連想されるのは伊勢神宮天照大御神豊受大御神だが、何か関係があるのだろうか。
また、東丸神社境内の荷田社伏見稲荷大社末社荷田社は荷田氏の先祖*3を祀っているのに、この荷田社神蹟は伊勢大神というのも不思議な感じがする。
 

白蛇大神・黒龍大明神・白蛇姫大神


鳥居をくぐってすぐ左側に、白蛇大神・黒龍大明神・白蛇姫大神が祀られたお塚がある。
蛇神と龍神が纏めて祀られているのが印象的だ。
白蛇姫大神は名前からすると女神なのだろうか。
 

白龍大明神、天白大明神、火龍大明神


この塚台には、真ん中に天白大明神のお塚が祀られていて、その左右に龍の名を冠したお塚が祀られている。
由緒等は不明だが、天白大明神は天白信仰と何か関係があるのかもしれない。
左右の龍神についても詳細は不明。
 

豊國大神・健壽大神


このお塚は豊國大神と健壽大神を祀る。
由緒は不明なので、豊國大神が豊国神社と何か関係があるのかも分からない。
「國」の字はよく見ると異体字なのがとても味がある。
健壽大神は神名だけ見ると、健康長寿の御利益がありそうな神だ。
 

天末大神・大岩大神・小天狗大神・照姬大神・玉龍大神


これは五柱の神名が刻まれたお塚だ。
天末大神・照姬大神・玉龍大神については詳細不明。
大岩大神は稲荷山南谷に祀られる大岩大神のことだろうか。
小天狗大神は名前からして天狗が祀られているのだろう。
 

力松大神・弘法瀧八尾大神・玉芳大神


このお塚には、力松大神・弘法瀧八尾大神・玉芳大神が祀られている。
力松大神は、御膳谷にある力松社御祭神・力松大神のことだろう。
弘法瀧八尾大神は、稲荷山南谷にある弘法滝に八尾大神が祀られているので、その関連だろうか*4
玉芳大神については不明。
 

日堀稲荷大明神


個人的にこのエリアの隠し要素とも言うべきお塚だと思っているのが、この日堀稲荷大明神だ。
 

場所がやたら分かりづらい。
お塚の台座の隙間の狭い道の先にちょこんと鎮座している。
 

しかしこんな場所にあるのに、きちんと手入れされているのは中々に良い味わいがある。
 

【間ノ峰】
御祭神:伊勢大神、火龍大明神、健壽大神、小天狗大神など
 

 
今回は以上。
次回は二ノ峰について。
 

脚注

*1:読みは「ぬねとりい」。

*2:読みは「はふさすつか」。真ん中の合掌屋根のようになっている部分。

*3:それぞれの由緒書の看板によれば、前者は荷田殷・荷田嗣・荷田早・荷田龍の四霊、後者は荷田氏の祖神を祀るという。

*4:伏見稲荷大社社務所『続お山のお塚』(1966年)290頁