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<2022年7月 記事内容改訂>
はじめに
今回は御膳谷奉拝所がある御膳谷エリアについて。
今までの稲荷山の記事はこちら。
マップは以下の通り。
番号が振ってあるのは、お塚の台座の番号だ。
(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)
御膳谷
春日峠を過ぎて階段を下りていくと、御膳谷奉拝所へと辿り着く。
読みは「ごぜんたに」かと思っていたが、伏見稲荷大社の英語版HPの表記を見ると"Gozendani Hohaisho" となっているので「ごぜんだに」が正しいらしい*1。
現在このエリアには他の大きなエリアと違い茶店は無い。
だが、かつては(いつまであったかは定かではないが)このエリアにも「力松亭」と「山本亭」という2つの茶店が存在していたらしい*2。
なお御膳谷には社務所があり、御朱印を頂くこともできる。
私はここで月桂冠の上撰の御神酒を入手した。
この御神酒は月桂冠が出しているおちょこ付きの日本酒と同じ形態だが、ラベルが御神酒仕様になっている特別なものだ。
御膳谷奉拝所
御膳谷奉拝所はかつて御饗殿と御竈殿があった場所だ。
今は祈祷殿と呼ばれる建物が建っていて、毎朝夕に神々に御日供*3が供えられている。
祈祷殿後ろにある石は御饌石*4と呼ばれ、大山祭の山上の儀においてお酒をこの上に置くのに使われている。
ここ御膳谷のお塚はお塚調査記録『お山のお塚』が出版された1965年当時は146番までしか存在していなかった*5。
ところがこれ以降にエリアの拡張があったらしく、塚台も現在では205番まで増えている。
力松社
祈祷殿裏手には力松大神を祀る力松社が鎮座している。
現地には特に書かれていないが、『お山のお塚』のマップによればこの場所こそが「御膳谷神蹟」であるらしい*7。
昭和大神
力松社の横には昭和大神という、ちょっと変わった神名の神様が祀られている。
由緒は分からないが、もしかすると昭和になってから祀られたのかもしれない。
無論、「あきかず」等と読む可能性も否定できないが。
奥村社
お塚の碑文は隠れて見えづらいが、恐らく「御膳谷舊蹟」と書いてあるものと思われ、『お山のお塚』のマップにも「御膳谷旧蹟」とある*8。
ただ、何が旧蹟なのかはよく分からなかった。
博勞神社
奥村社の目の前には博勞大神を祀る博勞神社のお塚が建っている。
「博労」は牛馬の売買をする人を指す言葉だ。
もしかするとこのお塚を建立した人は、商売繁盛の神として稲荷大神を信仰していたのかもしれない。
磐金大明神・磐瀧大神・天地金之神
このお塚も奥村社の目の前にある。
3柱の神名が刻まれている。
1番右は1文字目がよく読み取れないが、お塚調査記録『お山のお塚』によれば磐金大明神であるらしい*9。
磐瀧大神は詳細不明だが、稲荷山南谷にある岩滝との関連があるのかもしれない。
天地金之神は天地金乃神のことだとすると、教派神道の金光教の関連だろうか?