燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

神社やら、旅行やら、過去の事やら。

西淀川区の大和田住吉神社

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はじめに

今回は2019年に参拝した、大阪市西淀川区の大和田住吉神社について。
 

大和田住吉神社


阪神千船駅で電車を降りる。周辺は至って普通の住宅街だ。
千船駅があるのは佃という地区だ。東京には佃煮発祥の地である佃島という島があるけど、江戸時代にここ佃の漁民が移住したことに由来している。
 

駅の南にある千舟大橋を渡れば、そこは大和田という地区になる。
千舟大橋を渡ってから南西に徒歩3分くらいの位置に、今回の大和田住吉神社が鎮座している。
 

立派な鳥居が建っている。足が赤いのが特徴的だ。
だがその奥に広がる境内の建物は、どれも屋根にブルーシートがかかっているのが目立つ。
 

それもそのはずで、2018年の台風21号で本殿や境内社がダメージを受けたとのことだった*1
 

社殿


いかにも修理中といった感じだ。特に由緒書等も見当たらない。
『大和田郷土史会会報』*2収録の「大和田住吉神社のしおり」という記事によると、社伝に伝わる創建は842年9月19日。
御祭神は底筒男尊・中筒男尊・表筒男尊・神功皇后の四柱であるとのこと。
ただし、明治43年(1910年)に八幡神社を、明治44年(1911年)に皇大神宮を合祀したとのことなので、八幡大神天照大御神も祀られているのかもしれない。
 

稲荷社


境内入口の鳥居をくぐってすぐ左側に稲荷社が祀られている。
先述の通り、屋根にはブルーシートがかかっている。
由来書がないので詳細は不明ながら、稲荷社なので稲荷大神を祀るものと思われる。
 

金毘羅宮


本殿の左後ろには、金毘羅宮が祀られている。
やはり屋根にはブルーシートだ。
ここも由緒書は見当たらない。金毘羅宮なので大物主神を祀るのだろうか?
 

慰霊碑


本殿の右後ろには「和」と刻まれた六角柱の慰霊碑が建っている。
これは先述の『大和田郷土史会会報』によれば、日清戦争日中戦争の際の114柱と、太平洋戦争の際の89柱が慰霊されているらしい。
 

遥拝所


慰霊碑横には「遙拜所」「皇紀二千六百年記念」と書かれた石柱が建っている。
こちらも『大和田郷土史会会報』によると、戦時中に宮城遥拝をするために使われていたらしい。
皇紀2600年ということは、1940年の建立か。
 

【大和田住吉神社
住 所:大阪府大阪市西淀川区大和田5-20-20
御祭神:底筒男尊、中筒男尊、表筒男尊、神功皇后八幡大神?、天照大御神
社祠等:稲荷社(御祭神:稲荷大神?)
    金毘羅宮(御祭神:大物主神?)
    慰霊碑
    遥拝所
建 立:842年9月19日
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回は大和田住吉神社近くの白天宮。
 

脚注

*1:なおこの台風21号は、近畿一円に甚大な被害をもたらした。寺社もかなり被害を受けている。

*2:『大和田郷土史会会報二十六号』(大和田郷土史会事務局、2014年)7〜13頁

中央線沿いに鎮座する福徳稲荷神社

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はじめに

今回も簡易更新。
線路沿いの住宅地に静かに鎮座する福徳稲荷神社について。
 

福徳稲荷神社


JR阿佐ヶ谷駅から線路沿いに荻窪駅方面に向かうと、住宅地の中に突如として神社が現れる。
 



これが福徳稲荷神社だ。
『杉並の小祠』*1によれば、御祭神は保食神とのこと。
境内は狭いながらも綺麗に管理されているのが分かる。
 

ところで、社殿の横の石をよく見ると「明治三年十一月 村社」「日枝神社旧社地」「天祖神社攝社」と刻まれている。
『杉並風土記*2や先述の『杉並の小祠』の内容を統合すると、以下のような経緯があったらしい。
 
元々日枝神社(現在も赤坂に鎮座)の領地内に日枝神社の御分霊が祀られていたが、明治維新後に天祖神社に合祀*3。その跡地に福徳稲荷神社が建てられた。しかし昭和39年(1964年)の中央線高架化工事に伴い、近くの現在地に遷座した。
 

【福徳稲荷神社】
住 所:東京都杉並区阿佐谷南3-46-14
御祭神:保食神
境内社:無し
建 立:明治維新
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回こそは大阪の神社について。
 

脚注

*1:文化財シリーズ41 杉並の小祠』(杉並区教育委員会、1996年)31頁

*2:森泰樹『杉並郷土史叢書5 杉並風土記中巻』(杉並郷土史会、1987年)327〜328頁

*3:『杉並の小祠』では「神明宮に合祀」とあるが、碑文にも「天祖神社攝社」とあるので、これは天祖神社の間違いだろう。

中野駅南西の桃園稲荷

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はじめに

今回は簡易更新。
JR中野駅近くの桃園稲荷について。
 

桃園稲荷


中野駅南口から南西に徒歩で1〜2分くらい歩いた路地に、桃園会館という公民館がある。その横に祀られているのが今回の桃園稲荷だ。
この付近の桃園という名前は、江戸時代に徳川吉宗が作らせた桃園が当地にあったことに由来する。
 



赤い鳥居の向こう側には狛狐が両側に控えている。
由緒書等は見当たらない。ただ、立っている幟には「豊川吒抧尼真天」とある。
これは恐らく愛知県の豊川稲荷*1から御分霊を勧請して祀ったものだろう。
 
https://nakano.keizai.biz/headline/2171/*2
ところで本日は七夕だ。
上記記事のように、桃園稲荷前の路地には笹が7月14日まで設置されているらしい。
 

【桃園稲荷】
住 所:東京都中野区中野3-35
御祭神:豊川吒抧尼真天
境内社:無し
建 立:不明
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回は福徳稲荷神社について。
 

脚注

*1:千手観音菩薩を御本尊とする円福山妙厳寺。豊川吒枳尼真天はこの寺の鎮守社に祀られている。

*2:中野経済新聞 2021年7月5日「中野駅南口・桃園商店街で七夕飾り 桃園稲荷前通りにササ8本、コロナ退散願う」