燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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蛇を祀る羽田の松巳稲荷

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松巳稲荷



(※画像をクリックして「オリジナルサイズを表示」を選ぶと文字が多少見やすくなる。)
 
前回の記事で書いた宝玉稲荷から南西500mくらいの住宅地に、松巳稲荷という社が鎮座している。
 
鳥居や社殿は色褪せており、由緒書の掲示は上の画像の通りボロボロで判読できない文字が多い。
読める範囲で内容を見てみると以下のことが分かる。
・由緒書は家主の安藤銀蔵翁が昭和56(1981年)に書いた
享保年間*1には道路の辺りに安藤家所有の松の大木があり、「曲り松」として有名だった
・松の幹の中には多数の蛇が生息していた
・松は大正末期に枝が焼けて幹だけが残り、松に生息していた数百匹の蛇が外に出てきて警察沙汰になった
・蛇のために石造の社を建立した
・蛇を安藤家の守護神とした
 
以上を見るに巳神を祀っているようだが、名前からすると稲荷大神を祀っているようにも思われる。
もしかすると巳神と稲荷大神の両方を祀っているのかもしれない。
 

【松巳稲荷】
住 所:東京都大田区羽田2-14
御祭神:巳神、稲荷大神
社祠等:無し
創 建:大正末期?
H P:無し
 

 

脚注

*1:江戸時代の1716〜1736年。

穴守稲荷駅近くの宝玉稲荷

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宝玉稲荷


京急空港線に穴守稲荷という駅がある。
駅の近くに穴守稲荷神社*1が鎮座していることが駅名の由来だ。
実際、駅を出てすぐの所に穴守稲荷神社の鳥居も立っている。
 

また、鳥居の近くには「コンちゃん」という狐のマスコットキャラの石像もある。
 


そんな穴守稲荷駅の西側100mくらいの場所に、宝玉稲荷という立派な石造りの祠が鎮座している。
駐車場の一角にあるので、オーナーが祀っているのかもしれない。
由緒書等はないので詳細はよく分からないが、御祭神は稲荷大神だろうか。
 

【宝玉稲荷】
住 所:東京都大田区羽田4-16
御祭神:稲荷大神
社祠等:無し
創 建:不明
H P:無し
 

 

脚注

*1:駅の東に鎮座しており、豊受姫命を祀る。

谷中の功徳林寺と笠森稲荷堂

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はじめに


朝倉彫塑館前の道を南へ進んでいくと、功徳林寺左手に功徳林寺という寺が建っている。

功徳林寺

功徳林寺本堂

功徳林寺は阿弥陀如来を御本尊とする浄土宗の寺院だ*1
谷中墓地に死者を供養する道場が無かったため、島津忠寛伯爵*2を発起人として1893年に建立された。
幾つかのサイトでは山号を「無量山」としているが、自分にはソースを見つけることができなかった。
 
本堂の写真も撮りたかったが、法要か何かが行われていて人が多かったので撮らなかった。
 

笠森稲荷堂



境内には笠森稲荷堂が鎮座している。
祀られているのは吒枳尼天だ。
 

かつてこの地には福泉院*3という寺院があって、境内の笠森稲荷がとても有名だった。
特に笠森稲荷の茶屋に居た「お仙」という美女が人気を博し、浮世絵にもなったらしい。
ところが明治初頭にその福泉院が廃寺となったため、笠森稲荷は上野の養寿院境内に遷座してしまった。
そして明治41年(1908年)頃に、笠森稲荷の旧地に改めて祀られたのがこの笠森稲荷堂ということらしい*4
 

【功徳林寺】
住 所:東京都台東区谷中7-6-9
御本尊:阿弥陀如来
社祠等:笠森稲荷堂(御祭神:吒枳尼天)
建 立:1893年
H P:無し
 

 

脚注

*1:東京市下谷区役所・編『下谷区史』(1935年)1039頁(国会図書館デジタルコレクションでは572コマ)

*2:最後の佐土原藩主。佐土原藩は佐土原県、美々津県を経て現在の宮崎県。

*3:谷中にある天王寺塔頭寺院

*4:下谷区役所、前掲書、1039頁