燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

神社やら、旅行やら、過去の事やら。

過去記事の整理・追記などについて その1

今回は、ブログの記事の整理・追記についての報告。
今回は6つの記事について、内容の改訂や追記を行った。

洞爺湖神社

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洞爺湖温泉街の外れに鎮座する洞爺湖神社の記事は、全体的に文を見直して改訂し、写真も見やすいものに差し替えた。

岩田木神社

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先住民を慰霊・鎮魂するための神社である岩田木神社の記事も、全体的改訂と写真の差替えを行った。

札幌藻岩山スキー神社

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北欧神話のウルやスカディ等を祀る札幌藻岩山スキー神社の記事は、全体的に文を見直して改訂した。

山倉大神

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かつての第六天総本宮でコロナ神も境内に祀る山倉大神の記事は、分かりにくい記述を修正した。

橿原神宮

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神武天皇を祀る奈良県橿原市橿原神宮の記事は、最近手に入れた絵葉書について追記した。

熊野若王子神社

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哲学の道の始点に鎮座する熊野若王子神社の記事は、古い本に記載があった十一面滝について追記した。

今回は以上。

八坂神社の前身・元祇園梛神社と延喜式内社・隼神社

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社寺祠堂巡り記事一覧

はじめに



天道神社から猪熊通を北に向かい、四条通を西へ向かう。
嵐電四条大宮駅を越えて更に真っ直ぐ進むと、元祇園梛神社と隼神社が並ぶ境内が見えてくる。

祇園梛神社/隼神社

祇園梛神社




祇園梛神社は素盞嗚尊(牛頭天皇)を祀り、更に稲田姫命・宇賀御魂命・瓊々杵命・伊弉冉尊・菅大神・誉田別尊蘇民将来を配祀する。
御利益は厄除と縁結びとのこと。

創建は平安時代貞観11年(869年)。
京で疫病が広がった際に播磨国広峯から牛頭天皇を勧請した際に、神輿を梛林に祀ったことに始まる。
「元祇園」の名の由来は、この地から八坂へと遷座して祇園社(現在の京都市東山区の八坂神社)となったと伝わっていることに由来する。
なお、この八坂への遷座の際に楽を奏でて傘と鉾を立てたのが祇園会すなわち祇園祭の発祥ともされている。

因みに牛頭天皇素戔嗚尊と習合された祇園精舎の守護神で、初め播磨国石浦に現れ、後に播磨国広峯(現在の姫路市広峯神社)に鎮座したと伝わる*1 *2

なお、昭和9年(1934年)に出版された『京都神社誌』の梛神社の項目には「明治六年壬生寺境内の六所明神を廃し、其神霊を配祀し」との記述がある*3
しかし現在の壬生寺の一夜天神堂内には鎮守として六所明神が祀られているため、どこかのタイミングで戻されたのかもしれない*4

隼神社



隼神社は武甕槌神(隼大神)を祀り、経津主神塩土神・手力男神を配祀する。
御利益は厄除・病気平癒・勝負・スポーツ関連とのこと。


掲示によれば創建は平安時代初期の延喜式内社で、大正7年(1918年)に蛸薬師坊城から遷座した。
現在では壬生御所ノ内町の蛸薬師通と坊城通が交差する辺りに隼神社旧蹟碑が立てられている。
なお先述の『京都神社誌』によれば創建は雄略天皇の御代(5世紀)とされているが典拠は不明*5

田中神社



田中神社は摂社で、地主神を祀る。
掲示によれば厄除の御利益があるようだ。

稲荷社



こちらの稲荷社も摂社で、上川稲荷大神を祀る。
掲示によれば御利益は商売繁盛と芸能上達だ。

【元祇園梛神社/隼神社】
住 所:京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町18-2
御祭神:(梛神社素戔嗚尊 外7柱
    (隼神社)武甕槌神 外3柱
社祠等:田中神社(御祭神:地主神)
    稲荷社(御祭神:上川稲荷大神
創 建:(梛神社)869年
    (隼神社)平安時代初期
H P:元祇園 梛神社

脚注

*1:『廿二社本縁』(塙保己一編『群書類従・第二輯 神祇部』[訂正3版](群書類従完成会、1959年)207頁)

*2:二十二社註式』(塙保己一編『群書類従・第ニ輯 神祇部』[訂正3版](群書類従完成会、1959年)236頁)

*3:藤田由章『京都神社誌』(社寺研究会、1934年)55頁

*4:壬生寺HP「境内」参照。

*5:藤田、前掲書、54頁

長岡京から勧請された天道神社

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はじめに


住吉神社から醒ヶ井通を北に向かい、仏光寺通を西へと歩いて行くと、天道神社が鎮座しているのが見えて来る。

天道神

天道神社社殿




由緒書の看板によると、天道神社は天照皇大神八幡大神春日大神の3柱を祀っている。
また「京都観光Navi」によれば、中央に天照大神、左に正八幡大神、右に春日大明神を祀るとしている*1

なお、昭和9年(1934年)に出版された『京都神社誌』の天道神社の項目には天照皇大神八幡大神春日大神を祀るとした上で、「春日大神天児屋根命にして八幡大神彦火火出見命を祭るといふ」との記述がある*2
一般的に春日大神武甕槌命経津主命天児屋根命比売神の総称なので天児屋根命については分からなくもないが、一般的に八幡大神応神天皇神功皇后比売神(又は仲哀天皇)なので彦火火出見命が御祭神というのは謎だ。

創建は延暦13年(794年)で、平安遷都に際して長岡京にあった天道宮を勧請したことに始まる古社だ(先日記事を書いた五條天神宮と並ぶ)。
かつては皇族などの崇敬も篤く規模の大きい神社だったが、戦乱の中で焼失したらしい。
天正2年(1574年)に現在地に再興されるも、天明8年(1788年)の天明の大火で焼失、その後に再び再建された。

天道天満宮


社殿の左側には天道天満宮が鎮座している。
由緒書等は無いが、御祭神は明らかに菅原道真公だろう。
なおこの社は、洛陽天満宮二十五社にも選ばれている*3

厳島


厳島社は弁財天として市杵島比売命を祀る。
この社についての御祭神以外の詳細は分からなかった。
なお、「京都観光Navi」には弁財天厳島神社の名で記載されている*4

約束稲荷神社


約束稲荷神社は由緒書等は無いため詳細は不明。
稲荷神社なので稲荷大神を祀るものと思われる。



ここの狛狐は漫画とかに出てきそうなデザインで、中々格好良かった。



あと社殿の前に狐のフィギュアが置かれているのもとても可愛くて良いと思う。

八坂社


約束稲荷神社の左側には八坂社が鎮座している。
ここも由緒等は無く詳細は不明だが、八坂社なので祇園の八坂神社の御祭神である素戔嗚尊を祀るのかもしれない。
なお、「京都観光Navi」には祇園八坂神社の名で記載されている*5

天道神社】
住 所:京都府京都市下京区西田町615
御祭神:天照皇大神八幡大神春日大神
社祠等:厳島社(御祭神:市杵島比売命)
    天道天満宮(御祭神:菅原道真公)
    約束稲荷神社(御祭神:稲荷大神?)
    八坂社(御祭神:素戔嗚尊?)
創 建:1157年
H P:京都観光Navi「住吉神社」

脚注

*1:京都観光Navi「天道神社」参照。

*2:藤田由章『京都神社誌』(社寺研究会、1934年)55頁

*3:藤田、前掲書、46頁

*4:前掲HP参照。

*5:前掲HP参照。