燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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稲荷山その03:国学者を祀る東丸神社

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<2022年3月 記事内容改訂>

はじめに

今回は東丸神社について。
今までの稲荷山の記事はこちら
 
今回のマップは以下の通り。
(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)

 

東丸神社


伏見稲荷大社の外拝殿のすぐ傍に東丸神社と書かれた神社が建っている。
伏見稲荷境内社かと思う人が多そうだが、実は違う。
元々は明治時代に官幣大社稲荷神社(現・伏見稲荷大社)の摂社として建立されたが、現在は独立して伏見稲荷とは無関係となっているのだ。
 


東丸神社は荷田東丸命(名は春満とも表記)を御祭神とする神社だ。
国学の四大人*1の一人である東丸大人は本名を羽倉信盛といい、荷田氏*2の後裔を称する伏見稲荷社家の羽倉氏の出身だ。
ただし、羽倉信詮の代で秦姓の秡川氏からの養子となっているようなので、血筋は秦氏後裔ということになるだろうか*3
 

春葉殿


社殿の横には、荷田社と春葉殿の二つの社が並んでいる。
春葉殿は本殿と同じく荷田東丸命を御祭神とする。
春葉殿という名は東丸の著作の『春葉集』から採ったものだろうか。
なお社殿内には東丸の像が安置されている。
 

荷田社



荷田社は荷田氏遠祖の荷田殷・荷田嗣・荷田早・荷田龍*4の四柱の霊を祀っている。
荷田殷は和銅4年(711年)の伏見稲荷創始の際の地主だったとされている*5
また荷田龍は地主神として弘法大師の稲荷伝説にも登場するなど、伝説的な人物でもあるようだ。
 

その他



境内には色鮮やかな千羽鶴が奉納されていた。
余りにも綺麗だったので、つい撮ってしまった。
 

【東丸神社】
住 所:京都府京都市伏見区深草薮之内町36
御祭神:荷田東丸命
社祠等:春葉殿(御祭神:荷田東丸命)
    荷田社(荷田殷、嗣、早、龍の御霊)
建 立:1883年
H P:東丸神社
 

 
さて、今回は以上。
次回は路地のお塚について。
 

脚注

*1:江戸時代の国学者である荷田東丸、賀茂真淵本居宣長平田篤胤の四人の総称。

*2:雄略天皇の長男で清寧天皇の兄である磐城王の後裔とされる氏族。

*3:伏見稲荷大社御鎮座一千二百五十年大祭奉祝記念奉賛会・編『伏見稲荷大社年表』(1962年)72頁

*4:別名を「龍頭太」や「龍頭太夫」という。

*5:伏見稲荷大社御鎮座一千二百五十年大祭奉祝記念奉賛会、前掲書、72頁