燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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稲荷山その17:二ノ峰中社神蹟の青木大神と損壊した兼光大神のお塚

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<2022年4月 記事内容改訂>

はじめに

今回は稲荷山の二ノ峰について。
今までの稲荷山の記事はこちら

マップは以下の通り。
番号が振ってあるのは、お塚の台座の番号だ。
(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)

二ノ峰


間ノ峰から道沿いに進むと、二ノ峰へと辿り着く。
茶店も営業しているので、二ノ峰は間ノ峰よりも賑わっている印象だ。

中社神蹟




二ノ峰には中社神蹟があり、青木大神が祀られている。
青木大神は佐田彦大神のことだ。

鞍馬大僧正・末繁大明神


ここは鞍馬大僧正と末繁大明神が祀られている。
御幸辺(下)の記事でも書いたが、鞍馬大僧正は恐らく鞍馬天狗の事だろう*1
末繁大明神については詳細不明だ。

割竹・巖嶋



こはこ割竹と巖嶋とだけ刻まれたお塚だ。
両方とも神名の「大神」を省略したものと思われる。
割竹の方は詳細不明。
巖嶋の方は巖嶋=厳島だとすると、広島県厳島神社に祀られる宗像三女神だろうか。

三輪大神 外10柱



ここのお塚には11柱の神名が刻まれている。
まず一番は三輪大神だが、これは奈良県大神神社に祀られる大物主大神だろうか。
三輪大神の下の段には權光大神・權松大神・藏内大神・長一大神・熊𠮷大神が祀られている。
一番下の段は隠れて見えにくいが、『お山のお塚』と照らし合わせながら読むと竹川大神*2、美津長大神*3、白玉大神*4、熊末大神*5、岩金大神*6とのことだ。

金集大明神


三輪大神の近くには金集大明神が祀られている。
「金集」の読みは「きんしゅう」なのか「かねあつめ」なのかはよく分からないが、「金が集まる」とは、金運が良くなりそうな神名だ。

太留麻大明神、源髙大神・源九郎大神・白玉大神


金集大明神の横には右側の太留麻大明神のお塚と、左側の源髙大神・源九郎大神・白玉大神のお塚が並んでいる。
太留麻大明神は詳細不明だが、読み方は「だるまだいみょうじん」だろうか。
源髙大神は詳細不明。
源九郎大神は、源義経を助けたことで源九郎の名を義経から貰ったと伝わる源九郎狐*7のことかもしれない。
白玉大神は詳細不明ながら、稲荷山で比較的よく見かける印象のある神名だ。

兼光大神



ここは兼光大神のお塚だが、どうやら損壊してしまったらしい。
しかもまだ関係者に連絡がついていないらしい。

稲荷山のお塚は古いものだと明治・大正、新しいものでも大抵は昭和に建立されている。
するとお塚を建立した人やその身内はもう存命ではなかったり或いは高齢だったりして、しかも親族はお塚が建立されていたことも知らないというパターンも往々にしてありそうだ。
この先、崇敬する人の居なくなったお塚はどうなってしまうのだろう。

赤狐大神・豊川大神・赤大神


兼光大神の近くに、赤狐大神・豊川大神・赤大神のお塚がある。
赤狐大神は詳細不明ながら、神名からすると狐を祀るのだろうか。
豊川大神は愛知県の豊川稲荷に祀られる荼枳尼天のことではないかと思う。
赤大神は詳細不明だが、この色が直接神名に冠されているのは珍しい気がする。

琵琶霊社・美琶霊社


このお塚には琵琶霊社・美琶霊社と刻まれている。
名前からすると、琵琶の神様だろうか。
それにしても「美琶」という書き方は初めて見た気がする。
なおこのお塚の「霊」の字は、雨冠に「玉」と書く異体字であり味がある。

豊鶴大神、東郷長門、白代大神



ここに祀られるのは、右が豊鶴大神のお塚、真ん中が東郷長門のお塚、左が白代大神のお塚だ。
豊鶴大神と白代大神は詳細不明。
東郷長門も詳細不明だが、もしかすると薩摩の示現流の開祖・東郷長門守重位のことだろうか。

【二ノ峰】
御祭神:青木大神、鞍馬大僧正、金集大明神、東郷長門など

今回は以上。次回はついに山頂の一ノ峰

脚注

*1:コトバンク僧正坊」を参照。

*2:伏見稲荷大社社務所『お山のお塚』(1965年)120頁

*3:同書、193頁

*4:同書、84頁

*5:同書、51頁

*6:同書、71頁

*7:義経千本桜」などでも有名。