燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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線路沿いにある大河原家の稲荷神社

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はじめに

昨日に続き今日も簡易更新。
今回は大河原家の稲荷神社について。
 
【追記】
杉並区立中央図書館で色々資料を漁ってきました。
 

正一位稲荷神社

道中


昨日の記事でも書いた高円寺駅入口の交差点から中央線沿いに東へ進む。
 


JR東日本の高円寺変電所の横を通る。
道路の上を電線が無数に線路に向かって走る様は壮観だ。
 

社殿



変電所から更に少し進むと、小さな稲荷神社が見えてくる。この神社が正一位稲荷神社だ。
社殿内の左側の木柱には「奉齋 稲荷大神」、右側の御幣には「初午 大河原家」とある。
大河原家とは高円寺一帯の名主で、この社はその大河原家の稲荷神社であるらしい。
後の貞明皇后大正天皇皇后)となる九条節子が大河原家に預けられていた幼少時に参拝していた可能性も指摘されているようだ*1
 
【追記】
大河原善雄氏の「旧農家の初午祭今昔と稲荷雑稿」*2という記事によると、御祭神は宇迦之御魂神とのこと。
なお同記事によると、杉並区教育委員会の『杉並の小祠』*3という本では御祭神が保食神となっているが、宇迦之御魂神が正しいらしい。
また、現在の社殿は1931年建立とのことだが、その前から稲荷の祠が存在しており、少なくとも明治41年の記録にも現れているようだ。
 

石仏



社殿の左側には石仏が祀られている。
「大河原家」と刻まれた台座の上には、「馬頭觀世音」と刻まれた碑と、何かしらの尊像*4が刻まれた石仏が祀られている。
更に右側にも単独で詳細不明の尊像*5の石仏が祀られている。
 
【追記】
『杉並の石仏と石塔』*6という本によれば、左側の「大河原家」の台座の上の石仏は「馬頭観音坐像」、右側の単独の石仏は「地蔵菩薩立像」とあるので、予想は当たりだったようだ。
 

正一位稲荷神社】
住 所:東京都杉並区高円寺北1-2
御祭神:宇迦之御魂神
境内社:馬頭觀世音碑
    馬頭観世音像
    地蔵尊
建 立:不明
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回もまた高円寺・中野界隈。
 

脚注

*1:原武史『皇后孝』146~147頁

*2:『杉並郷土史会史報』(杉並郷土史会、2011年)第226号219〜222頁

*3:文化財シリーズ41 杉並の小祠』(杉並区教育委員会、1996年)23頁

*4:こちらも馬頭観世音かもしれない。

*5:こちらは地蔵尊だろうか。

*6:文化財シリーズ36 杉並の石仏と石塔』(杉並区教育委員会、1991年)18〜19頁