燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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陰陽師・安倍晴明を祀る晴明神社

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はじめに

今回は陰陽師安倍晴明の邸宅跡に建つ晴明神社について。
 

晴明神社


晴明神社上京区晴明町にある。
その地名からも分かる通り、この場所には平安時代を代表する陰陽師安倍晴明の邸宅があったと伝えられている。
 
その晴明の邸宅跡地に鎮座する晴明神社の第一鳥居の扁額には、社紋である五芒星だけが書かれていて中々インパクトがある。
五芒星は晴明が用いた呪符のマークとして有名だ。
 

社殿



晴明神社は寛弘4年(1007年)に一条天皇の命により創建。
御祭神は言うまでもなく安倍晴明*1
 
由緒書の看板に「孝元帝の御後胤」とあるのは、安倍氏(古くは「阿倍」とも表記、遣唐使阿倍仲麻呂らも同族)が第8代・孝元天皇の第1皇子・大彦命の後裔を称していたことによる。
 

齋稲荷社



本殿の横には末社の齋稲荷社が祀られている。
御祭神は、由緒書の掲示には「倉稻魂命他二柱」とある。
提灯には齋稲荷社と共に天満社と地主社が併記されているが、他2柱というのは菅原道真公と地主神だろうか。
 
神社名に「齋」と付くだけあって、元々は斎院御所*2に鎮座していたらしい。
斎院御所のあった紫野から現在地に遷座したものと思われる。
 

安倍晴明公像・厄除桃




本殿の目の前には、安倍晴明公像と厄除桃が置かれている。
晴明神社のHPによれば、この像は晴明が夜空の天体を観測している姿を像にしたとのこと。
また、厄除桃は撫でると魔除けや厄除けになる。
 

晴明井




境内には晴明井という湧水がある。
この晴明井の流水口の向きは、その年の恵方に設定されているとのこと。
それにしても、どうして晴明井の目の前に北斗七星が配置されているのだろうか。
 

旧・一條戻戾橋



第一鳥居の近くには、小さな一條戻橋がある。
これは平成7年(1995年)に橋が架け替えられた際に、元の橋の欄干と親柱を移設したものだ。
 
この橋は元々は平安時代に架けられた橋で、僧・浄蔵がこの橋の上で父の三善清行の葬列に遭遇し悲しんでいたところ、清行が一時的に息を吹き返し現世に戻ってきたという伝承に由来する。
渡辺綱*3が鬼の腕を斬ったという伝承の舞台としても有名だ。
 

晴明神社
住 所:京都府京都市上京区晴明町806
御祭神:安倍晴明御霊神
社祠等:齋稲荷社(御祭神:倉稻魂命、菅原道真公?、地主神?)
創 建:1007年
H P:晴明神社
 

 

脚注

*1:由緒書では「安倍晴明御霊神」という表記になっている。

*2:賀茂上下社に仕える皇女の御所。

*3:嵯峨源氏の出で、源頼光の配下。酒呑童子討伐の伝承が有名。