燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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菅公生誕の地・菅原院天満宮神社

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はじめに

今回は菅公生誕の地・菅原院天満宮神社について。
 

菅原院天満宮神社


昨日の記事で書いた護王神社から烏丸通に沿って300mほど南へ進むと、菅原院天満宮神社が鎮座している。
 

社殿



菅原院天満宮神社は菅原道眞公、菅公の父・菅原是善卿、菅公の祖父・菅原淸公卿の3柱を祀っている。
 
現在天満宮がある場所は元々菅原氏の邸宅・菅原院の跡地で、菅公もこの地で生誕したとされている。
後にこの地には歓喜光寺が鎮座するも遷座してしまい、残されたままの殿舎に菅公と是善卿を祀ったのが始まりであるとされている。
なお、歓喜光寺が遷座したのは 錦天満宮のHP によると長保5年(1003年)とされているが、 京都観光Navi によれば正安元年(1299年)に遷座したことになっていてよく分からない*1
 
また、後の世に定められた菅公聖蹟二十五拝*2では筆頭とされている。
更に、洛陽天満宮二十五社*3にも第7番に掲載されている*4
 

社殿横の境内社


社殿横の一般人は立入できないエリアにも境内社が祀られている。
社務所で尋ねたところ、横の境内社には道真公の関係者*5が祀られているとのことだった。
社殿横に境内社が並ぶのは、北野天満宮などの他の天満宮でも見られる光景だ。
 

地蔵社、地蔵尊




社殿の目の前には地蔵社と地蔵尊が建っている。
 
地蔵社には出世石神として天道大日如来が祀られている。
御利益は書かれていないが、出世石神というからには出世の御利益があるのだろう。
 
地蔵尊の方は2尊が並んで祀られている。
御利益は諸病平癒と子供守護とのこと。
 

和融稲荷社、梅丸大神社




地蔵尊の左側には和融稲荷社と梅丸大神社が並んで祀られている。
 
和融稲荷社は稲荷大神を御祭神としている。
御利益は商売繁盛、五穀豊穣、開運、酒造、交通安全。
 
梅丸大神社は梅丸大神を祀っている。
御利益は癌封じ、皮膚病(できもの・アトピー等)、各種病気とのこと。
社殿前に置かれている由緒書の紙によれば、創建年代は不明ながら病気回復の神として世間で崇敬されていたらしい。
 

戸隠社



和融稲荷社・梅丸大神社の左側の戸隠社には戸隠大神と九頭龍大神が祀られている。
 
戸隠大神とは天手力男命*6のことで、長野県の戸隠神社奥社の御祭神だ。
戸隠大神の御利益は歯痛止めと口腔関係の病の除去とのこと。
 
九頭龍大神は長野県の戸隠神社の九頭龍社の御祭神だ。
御利益は良縁、雨乞い、その他水関係の事柄とのこと。
 

その他


境内の手水舎は天満宮なので牛だ。
中々面白いデザインだと思う。
 


境内には菅公生誕地だけあって、産湯の井戸も存在している。
 

【菅原院天満宮神社】
住 所:京都府京都市上京区堀松町408
御祭神:菅原道眞公、菅原是善卿、菅原淸公卿
社祠等:地蔵社(御祭神:天道大日如来
    和融稲荷社(御祭神:稲荷大神
    梅丸大神社(御祭神:梅丸大神)
    戸隠社(御祭神:戸隠大神、九頭龍大神
    他多数
創 建:1000年頃?1300年頃?
H P:菅原院天満宮神社
 

 

脚注

*1:更にいえば、京都観光Naviによれば歓喜光寺が遷座する前から寺の境内に天満宮の前身の小祠が祀られていたことになっている。

*2:松浦武四郎が制定した菅公を祀る天満宮25社を纏めたもの。

*3:江戸時代に制定された菅公を祀る天満宮25社を纏めたもの。

*4:京都府神社略記』(京都府神職会、1936年)46頁

*5:例えば菅原氏の一族の人や、菅公の後見人の度会春彦(白太夫)など。

*6:岩戸開きの際に天照大御神を引っ張り出した神。