燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

神社やら、旅行やら、過去の事やら。

平塚の諏訪部神社と水天宮、そしてお茶婆さん

東京・関東巡り記事一覧
社寺祠堂巡り記事一覧

はじめに


今月の上旬に、平塚市の諏訪部神社に参拝した。
諏訪部神社のある大久保公園周辺に鉄道駅はないので、神奈川中央交通の向原バス停で降りると近い。


境内にはまだ桜がギリギリ咲いていた。
社殿の目の前にあるので御神木だろうか。

諏訪部神社

諏訪部神社社殿



諏訪部神社は平塚城*1の鎮守として祀られた神社だ。
現在は創建時の御祭神の彦火火出見尊伊弉諾尊伊弉冊尊・素盞嗚尊に加え、諏訪頼重と犬頭霊神を祀る*2

諏訪頼重という人物は南北朝時代と戦国時代にそれぞれ諏訪氏の人物として存在するが、後者が生まれる前の文明10年(1478年)に平塚城は落城しているので、祀られているのは前者だろうか*3

犬頭霊神は犬神神明とも称される。
元はこの地を所有していた大久保氏の先祖とされる宇都宮泰藤が狩り先で寝ていた際に連れの犬が蛇の接近を吠えて知らせたところ、泰藤は眠りを妨害されたと犬の首を斬った。
その犬の首が蛇に噛み付いて主人を護ったため、泰藤は犬が吠えた理由が分かり、詫びた上で犬を守護神として祀ったとされている。
なお、同様の逸話は愛知県岡崎市延喜式内社・糟目犬頭神社にも伝わっている。

手水舎



これが諏訪部神社の手水舎だ。
水の注ぎ口が龍の頭になっている神社は割とある印象があるが、注ぎ口が獅子というのは珍しいと思う。
しかも如何にもライオンらしい顔付きをしている。

平塚水天宮

社殿



境内には日本橋の水天宮から勧請された平塚水天宮も祀られている。
御祭神は主祭神が天御中主大神と安德天皇、配神が建礼門院と二位ノ尼だ。
水天宮なので、安産祈願として崇敬されている。
また、近くの水天宮商店街の名前の由来ともなっている。

安産おさすり犬


社殿の前には安産おさすり犬も置かれている。
犬のお産は軽いとされることに由来し、安産祈願として建立されたようだ。

水天宮音頭


かつては水天宮音頭なるものもあったらしい。
振付も存在したようだが、今となっては知る由もない。

お茶婆さん




水天宮の横には「お茶婆さん」と呼ばれる咳神の祠が祀られている。

地元住民に伝わる話では、元々は神社の南600mほどの所にある春日野中学校の門前に祀られていた祠であったらしいが、昭和38年(1963年)に現在地に遷座したらしい*4

「お茶婆さん」とはこの祠の参拝客を親切に世話していた近くの茶店のお婆さんのことで、お婆さんの死後にお世話になった人達が感謝の印として祠の台座に「お茶婆さん」と刻んだことに由来するとのこと*5
御祭神は周辺で広く信仰される咳神の真田与一義忠ではないかともされている*6

道祖神


本殿真裏の道路沿いには道祖神の祠が祀られている。
この祠の中には新しい道祖神の石碑の左側に、もう1つ古そうな道祖神の石碑も祀られている。

【諏訪部神社】
住 所:神奈川県平塚市諏訪町28-25
御祭神:諏訪頼重彦火火出見尊伊弉諾尊伊弉冊尊、素盞嗚尊、犬頭霊神
社祠等:平塚水天宮(御祭神:天御中主大神、安德天皇建礼門院、二位ノ尼)
    お茶婆さん(御祭神:真田与一義忠?)
    道祖神(御祭神:道祖神、2柱)
創 建:不明
H P:神奈川県神社庁「諏訪部神社」

脚注

*1:平安時代に豊島氏により創建されたと伝わる古城。

*2:神奈川県神社庁HP「諏訪部神社」参照。

*3:コトバンク平塚城」参照。

*4:中島孝二『私のふるさと再発見① お茶婆さん』(2006年)4頁(平塚市文化行政推進室『文化情報誌たわわ 57号』(平塚市、2006年)収録)

*5:同書

*6:同書