燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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大地の芸術祭『家の記憶』と大宝神社

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はじめに



前回の記事で書いた清津峡を後にし、「大地の芸術祭」の作品である『家の記憶』と、その近くにある大宝神社を見るために、車で下松之山鰕池へ向かった。
松之山町(合併して十日町市になる前は松之山町だった)の広報誌『広報まつのやま』によると、地域名の「鰕池」(えびいけ)はかつてこの地にあった淡水エビが生息する「下の鰕池」に由来するとのこと(なお現在の上鰕池に「上の鰕池」もあったらしい)*1

家の記憶





『家の記憶』は日独で活躍する芸術家・塩田千春氏の作品で、2009年の「大地の芸術祭」の時に制作された。
この作品は古民家の内部に黒い毛糸が張り巡らされており、その毛糸に色々なアイテムが編み込まれている。
古民家は元々は養蚕農家の家屋だったらしい*2
編み込まれているアイテムは、地域の人々から集めた不要だが捨てられないもの(日用品、上着、本など)とのこと。

大宝神社

社殿



『家の記憶』から100mほど南に、大宝神社が鎮座している。

御祭神や由緒は由緒書が社殿の辺りには見当たらないため参拝時には分からなかったが、後で調べたところ『松之山町史』と『広報まつのやま』に記載があった。
松之山町史』によれば、御祭神は武甕槌命を祀っており、創建年は不詳*3
『広報まつのやま』によると、御祭神は武甕槌命で、創建年は不明ながら明治16年(1883年)に改築されており、また神社名の「大宝」は菩薩のことなので神仏習合の名残りだろうとのこと*4



社殿の前には立派な狛犬が置かれている。

石碑群


社殿向かって右側の御神木の根元には、石碑が4基並んで祀られている。

道祖神


一番左には道祖神碑が祀られている。
碑文から、大正10年(1921年)に建立されたことが分かる。

明髙山社碑


道祖神碑の右には明髙山社碑が祀られている。
明髙山社が何処のことなのかは調べてもよく分からなかった。
もしかすると、明髙山とは(音が同じの)妙高山 のことで、明髙山社は関山神社のことだろうか。
こちらも道祖神碑と同じく、大正10年に建立されたことが分かる。

白山社碑


明髙山社碑の右側は白山社碑だ。
この白山社は現在の白山市に鎮座する白山神社(御祭神:菊理媛尊)のことだろう。
石碑は明治35年(1902年)建立と中々に古い。

手洗い石


白山社碑の右側は手洗い石らしい。
初めは石臼か何かかと思ったが、『広報まつのやま』には手洗い石とあるので、まあそうなのだろう。

二十三夜塔


一番右側には、二十三夜塔が祀られていた。
建立年は不明(裏側に書いてあったのかもしれないが、確認し損ねた)。

【大宝神社】
住 所:新潟県十日町市松之山下鰕池985
御祭神:武甕槌命
社祠等:道祖神碑 外石碑3基
創 建:1883年以前
H P:無し

脚注

*1:松之山町総務課編『広報まつのやま 1993 12月号』(松之山町、1993年)10頁

*2:美術は大地からHP「家の記憶(2009年)」参照。

*3:松之山町史編さん委員会編『松之山町史』(松之山町、1991年)865頁

*4:松之山町総務課、前掲書、10頁