はじめに
今回は、善能寺とその境内社について。
善能寺
祥空殿(本堂)
善能寺は東山区にある泉涌寺*1の塔頭寺院*2だ。
弘仁14年(823年)に弘法大師が開いた寺院で、御本尊は聖観世音菩薩だ。
本堂は祥空殿と呼ばれており、1971年の航空事故の遺族が慰霊と事故根絶を願い寄進したものらしい。
今回は千駄ヶ谷の榎稲荷尊について。
千駄ヶ谷の鳩森八幡神社に面した交差点から南に進むと、榎坂の途中に瑞円寺という曹洞宗の寺がある。
その寺のすぐ傍に鎮座するのがこの榎稲荷尊だ。
社殿は小山のように積まれた岩の頂上に鎮座している。
見た目だけで行けば富士塚のような印象がある。
これが階段を上った先にある社殿だ。
由縁によると、かつて樹齢800年以上の榎の下にある洞窟に小祠を祀ったが東京大空襲で焼失、その後現在地に遷座し榎稲荷尊として祀られたとのこと。
ところでこの由縁の中で「根幹風霜ニ曝サレ畸形ヲ呈シ俗稱女榎ト呼フ(中略)低俗ノ信仰ヲ蒐メ又民俗學ノ對象タル事久シ」の書かれているのは、調べてみるとどうやら「根や幹が風霜に曝され続けて女陰のような形になっていて、後に婦人病などに御利益があるとして信仰を集めた」ということらしい。
岩山の下の洞窟にも稲荷社が祀られている。
稲荷社なので御祭神は稲荷大明神だろう。
あくまで憶測だけど、山の神社に奥宮と里宮があるように、上まで登れない人でも拝めるようにしているのかもしれない。