燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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善能寺と日本最初の稲荷

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はじめに

今回は、善能寺とその境内社について。
 

善能寺

祥空殿(本堂)




善能寺は東山区にある泉涌寺*1塔頭寺院*2だ。
弘仁14年(823年)に弘法大師が開いた寺院で、御本尊は聖観世音菩薩だ。
本堂は祥空殿と呼ばれており、1971年の航空事故の遺族が慰霊と事故根絶を願い寄進したものらしい。
 

玉龍



本堂の横に池があり、そのほとりに社が建っている。
少し奥の方にあるので、気を付けないと見落としてしまいそうだ。
社の横には「白玉龍神」と刻まれた小さな社号標が建っている。
池の横なので、水神として龍神を祀っているのだろう。
 

日本㝡初稲荷神石社



善能寺境内に入って右手側には、日本㝡初稲荷神石社*3が建っている。
弘法大師が祀った日本最初の稲荷とされている。
まあ、何をもって「日本最初」というのかは色々ありそうだけど*4
 

稲荷社



日本㝡初稲荷神石社の隣にも、「稲荷大神」の扁額が掛かった稲荷社が建っている。
こちらの稲荷社については由緒やなぜ稲荷が2つ並んでいるのかといったことは不明だ。
 

【善能寺】
住 所:京都府京都市東山区泉涌寺山内町34
御本尊:聖観世音菩薩
社祠等:白玉龍神(御祭神:白玉龍神)
    日本㝡初稲荷神石社(御祭神:稲荷神)
    稲荷大神(御祭神:稲荷大神
建 立:823年
H P:京都観光Navi「善能寺」
 

 

脚注

*1:釈迦如来阿弥陀如来弥勒菩薩を祀る皇室の菩提寺

*2:大寺院境内に建てられた大寺院に属する寺院。但し境外にある場合もある。

*3:「㝡」は「最」の異体字

*4:弘法大師が生きたのは774〜835年で、伏見稲荷の創建は711年とされる。もしかすると吒枳尼天(稲荷神と習合した仏教の神)を祀るとする場合なら日本最初なのかもしれない。

石仏だらけの榎稲荷尊

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はじめに

今回は千駄ヶ谷の榎稲荷尊について。
 

榎稲荷


千駄ヶ谷鳩森八幡神社に面した交差点から南に進むと、榎坂の途中に瑞円寺という曹洞宗の寺がある。
 


その寺のすぐ傍に鎮座するのがこの榎稲荷尊だ。
社殿は小山のように積まれた岩の頂上に鎮座している。
見た目だけで行けば富士塚のような印象がある。
 

社殿



これが階段を上った先にある社殿だ。
由縁によると、かつて樹齢800年以上の榎の下にある洞窟に小祠を祀ったが東京大空襲で焼失、その後現在地に遷座し榎稲荷尊として祀られたとのこと。
 
ところでこの由縁の中で「根幹風霜ニ曝サレ畸形ヲ呈シ俗稱女榎ト呼フ(中略)低俗ノ信仰ヲ蒐メ又民俗學ノ對象タル事久シ」の書かれているのは、調べてみるとどうやら「根や幹が風霜に曝され続けて女陰のような形になっていて、後に婦人病などに御利益があるとして信仰を集めた」ということらしい。
 

稲荷社


岩山の下の洞窟にも稲荷社が祀られている。
稲荷社なので御祭神は稲荷大明神だろう。
あくまで憶測だけど、山の神社に奥宮と里宮があるように、上まで登れない人でも拝めるようにしているのかもしれない。
 

石仏


境内にはかなり多くの石仏が祀られている。
社殿に横には地蔵尊と思われる石仏が五尊並んでいる。
 

鳥居の近くには七福神の福禄寿もしくは寿老人だろうか、仙人のような像が祀られている。
 

階段途中には観音菩薩と思しき像が祀られている。
 

上の観音菩薩の少し下に祀られている、こちらも観音菩薩と思しき像。
像容からすると慈母観音だろうか。
 

これは入口の鳥居の横に祀られている像だ。
恐らく観音菩薩坐像だろう。
 

境内その他


階段の途中、社殿の横あたりに何故かライオンの像がある。
唐獅子のようではなく、リアルなライオン像だ。
 

こちらは小さな二宮金次郎像。
冒頭に貼った画像に写っている、「江戸名所 お萬榎 榎稻荷」と刻まれた石碑の上部に置かれている。
小さいながらかなり出来が良いと思う。
 

【榎稲荷尊】
住 所:東京都渋谷区千駄ケ谷2-29
御本尊:榎稲荷大明神
社祠等:稲荷社(御祭神:稲荷大明神
    石仏多数
建 立:不明
H P:無し
 

 

脚注

道端の青面金剛の祠

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はじめに

今回は千駄ヶ谷を散歩していたら見つけた、庚申塔の祠について。
 

庚申塔


千駄ヶ谷をぶらぶら散歩していると、ふとした路地に面した祠のようなものが見えた気がした。
 


近付いてみたところ本当に祠だった。
像容は風化しかけていて細部の判別は出来ないけど、恐らく青面金剛*1と三猿*2が彫られているのだろうと思う。
きちんと花が添えられているので、誰か管理している方が居るんだろう。
 

庚申塔
住 所:東京都渋谷区千駄ケ谷4-22
御本尊:青面金剛
社祠等:無し
建 立:不明
H P:無し
 

 

脚注

*1:庚申待の本尊で帝釈天の従者とされる。

*2:見猿・言猿・聞猿の総称。