燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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綺麗な境内の洞爺湖神社

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<2022年8月 記事内容改訂>

はじめに

今まで道内であれ道外であれ様々な場所に行って来たものの、ここ数年はロクに記事を書けるような状況ではなかったため、写真だけが大量に溜まっている状況だった。
そのまま放置するのも勿体無いので、暇を見ては書いていきたい。
今回は洞爺湖と、その近くに鎮座する洞爺湖神社に参拝した件について。

有珠山サービスエリア


洞爺湖へと向かう途中、まずは有珠山SAにて休憩。
名前に有珠山を冠するだけあって、眼前に雄大有珠山を臨むことが出来る。



SA敷地内に石碑があったので見に行くと、それは宮澤賢治の『噴火湾ノクターン)』という詩を刻んだものだった。
横にある案内板によれば、『噴火湾ノクターン)』は宮澤賢治大正12年(1923年)に来道した際に作った長編詩『オホーツク挽歌』の中の1編とのこと(『オホーツク挽歌』が収録されている詩集『春と修羅』は、青空文庫にも収録されている)。
また、この碑文を書いた金子鷗亭という人は、文化功労者に選ばれたり文化勲章を受章したりと、かなり著名な書家のようだ。

洞爺湖


有珠山SA先へ進み、虻田洞爺湖ICで高速を降りる。
後は看板に従って国道230号線を行けば、洞爺湖の温泉街へ着く。

上掲の写真の奥に写っている中島には、多くのエゾシカが生息しているらしい。
とても自然豊かな島で、洞爺湖森林博物館という施設もあるらしいのでいつか行ってみたいと思っている(洞爺湖森林博物館は老朽化に伴い2021年に隣接地に新設された「中島・湖の森博物館に移行)。


余談ながら、Googleマップストリートビューがこの島も通っていることにとても驚いた。

洞爺湖神社



メインの温泉街から少し離れて有珠山の方へ上がっていくと、少し寂れた温泉街や住宅地があり、その外れの辺りに洞爺湖神社が鎮座している。
境内は鳥居や社殿、境内のもの全てが綺麗に保たれているのが印象的だ。

現地に由緒書等の掲示は見当たらないが、『物語虻田町史』によれば、御祭神は大国主命・保食主命・事代主命の3柱を祀る*1
保食主命は保食神のことと思われるが、後述の勧請の経緯を見る限り倉稲魂命と同一視されているものと思われる(例えば近隣の虻田神社のHPにおいても、御祭神の稲荷大神について保食主神だと書かれている*2)。

創建については、元から集落では稲荷・出雲の小祠を祀っていたが、昭和10年(1935年)に改めて出雲大社伏見稲荷大社から御祭神を勧請したということらしい*3
ただし、事代主命がいつどこから勧請されたのかについては記述は無かったため不明だ。
のち昭和52年(1977年)の有珠山噴火に伴う泥流被害等により、現在地へ昭和56年(1981年)に遷座した*4

洞爺湖神社】
住 所:北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉78-554
御祭神:大国主命、保食主命、事代主神
末社等:無し
創 建:1935年9月5日
H P:無し

脚注

*1:虻田町編集委員会編『物語虻田町史 第3巻(教育・文化編)』(2001年、虻田町)388頁

*2:虻田神社HP「由緒」参照。

*3:虻田町、前掲書、388頁

*4:同書、389頁