燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

神社やら、旅行やら、過去の事やら。

佐久間公園の草分稲荷神社と戦災殉難者慰霊碑

東京・関東巡り記事一覧
社寺祠堂巡り記事一覧

はじめに


秋葉原からJR総武線の高架沿いに東へ歩いていく。
しばらくすると、右手に佐久間公園が見えてくる。

草分稲荷神社



この公園の一角にあるのが草分稲荷神社だ。
きちんと綺麗に管理されており、お供物も置かれている。



御祭神は由緒書の掲示によれば宇迦之御魂命だ。
創建年は不明だが、『東京名所図会』によると文政6年(1823年)の年号の入った石鳥居があったようだ*1
なお、現在地には昭和36年(1961年)に遷座
『千代田の稲荷』によれば、少なくとも2008年頃には町会により初午祭と餅つき大会が行われていたようだ*2
元は板倉主計頭の屋敷の邸内社だったものが、明治維新後に町会の管理となったとのこと。
『東京下谷絵図』ではこの辺りは板倉伊代守の屋敷となっているので、この板倉氏は安中藩板倉氏だろうか*3

戦災殉難者慰霊碑


佐久間公園の一角には戦災殉難者慰霊碑が建っている。
揮毫はなんと総理大臣も務めた鳩山一郎だ。


裏面には由緒が刻まれている(なお今回は写真を撮り逃したため、2019年のものを掲載)。
文字が見えにくいが、この碑については総務省のHPに記載がある。
それによると、東京大空襲で亡くなったこの地区の400余名を慰霊するため昭和32年(1957年)に建立されたとのこと*4

【草分稲荷神社】
住 所:東京都千代田区神田佐久間町3-21 佐久間公園内
御祭神:宇迦之御魂命
社祠等:無し
創 建:1823年以前
H P:無し

【戦災殉難者慰霊碑】
住 所:東京都千代田区神田佐久間町3-21 佐久間公園内
創 建:1957年
H P:総務省HP「戦災殉難者慰霊碑」

脚注

*1:宮尾しげを監修『東京名所図会 [第2]』(睦書房、1968年)271頁(国会図書館デジタルコレクションでは154コマ)

*2:千代田区教育委員会編『千代田区文化財調査報告書17 千代田の稲荷 -区内稲荷調査報告書-』(千代田区教育委員会、2008年)81頁

*3:戸松昌訓『東京下谷絵図』(尾張屋清七、1857年)※国際日本文化研究センター所蔵

*4:総務省HP「戦災殉難者慰霊碑」参照。