燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

神社やら、旅行やら、過去の事やら。

中央線沿いに鎮座する福徳稲荷神社

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はじめに

今回も簡易更新。
線路沿いの住宅地に静かに鎮座する福徳稲荷神社について。
 

福徳稲荷神社


JR阿佐ヶ谷駅から線路沿いに荻窪駅方面に向かうと、住宅地の中に突如として神社が現れる。
 



これが福徳稲荷神社だ。
『杉並の小祠』*1によれば、御祭神は保食神とのこと。
境内は狭いながらも綺麗に管理されているのが分かる。
 

ところで、社殿の横の石をよく見ると「明治三年十一月 村社」「日枝神社旧社地」「天祖神社攝社」と刻まれている。
『杉並風土記*2や先述の『杉並の小祠』の内容を統合すると、以下のような経緯があったらしい。
 
元々日枝神社(現在も赤坂に鎮座)の領地内に日枝神社の御分霊が祀られていたが、明治維新後に天祖神社に合祀*3。その跡地に福徳稲荷神社が建てられた。しかし昭和39年(1964年)の中央線高架化工事に伴い、近くの現在地に遷座した。
 

【福徳稲荷神社】
住 所:東京都杉並区阿佐谷南3-46-14
御祭神:保食神
境内社:無し
建 立:明治維新
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回こそは大阪の神社について。
 

脚注

*1:文化財シリーズ41 杉並の小祠』(杉並区教育委員会、1996年)31頁

*2:森泰樹『杉並郷土史叢書5 杉並風土記中巻』(杉並郷土史会、1987年)327〜328頁

*3:『杉並の小祠』では「神明宮に合祀」とあるが、碑文にも「天祖神社攝社」とあるので、これは天祖神社の間違いだろう。

中野駅南西の桃園稲荷

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はじめに

今回は簡易更新。
JR中野駅近くの桃園稲荷について。
 

桃園稲荷


中野駅南口から南西に徒歩で1〜2分くらい歩いた路地に、桃園会館という公民館がある。その横に祀られているのが今回の桃園稲荷だ。
この付近の桃園という名前は、江戸時代に徳川吉宗が作らせた桃園が当地にあったことに由来する。
 



赤い鳥居の向こう側には狛狐が両側に控えている。
由緒書等は見当たらない。ただ、立っている幟には「豊川吒抧尼真天」とある。
これは恐らく愛知県の豊川稲荷*1から御分霊を勧請して祀ったものだろう。
 
https://nakano.keizai.biz/headline/2171/*2
ところで本日は七夕だ。
上記記事のように、桃園稲荷前の路地には笹が7月14日まで設置されているらしい。
 

【桃園稲荷】
住 所:東京都中野区中野3-35
御祭神:豊川吒抧尼真天
境内社:無し
建 立:不明
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回は福徳稲荷神社について。
 

脚注

*1:千手観音菩薩を御本尊とする円福山妙厳寺。豊川吒枳尼真天はこの寺の鎮守社に祀られている。

*2:中野経済新聞 2021年7月5日「中野駅南口・桃園商店街で七夕飾り 桃園稲荷前通りにササ8本、コロナ退散願う」

高円寺駅近くの高円寺氷川神社と「天気の子」聖地の気象神社

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はじめに

今回は高円寺鎮守の高円寺氷川神社について。
 

高円寺氷川神社



高円寺氷川神社はJR高円寺駅の南東に鎮座している。駅から徒歩にして2〜3分の位置だろう。
境内はそれなりに広々としていて、静かで良い感じの空間だ。
 

マップは上記の通り。
(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)
 

社殿



由緒書の掲示によると、高円寺氷川神社は昔は高円寺村小名原の鎮守だったとのこと。
境内の中心に立派な社殿が建っている。御祭神は素戔嗚尊
由緒書によれば、源頼朝の奥州征伐の際に頼朝の命で安達盛長が創建した、奥州征伐の際に高円寺村に留まった村田某が大宮から勧請して創建した、16世紀の天文年間に創建した、という諸説が伝えられている。
かつて神社についての旧記が火事で焼失してしまったようで、創建の詳細は分からない。
 

気象神社


本殿左手側の参道を進むと、「気象神社」という扁額の掛かった鳥居と、奥に末社群が見えてくる。
 



その一番手前側に鎮座するのが気象神社だ。御祭神は八意思兼命
気象神社」という神社は日本全国でもここにしか存在しないらしい。
昭和23年(1948年)に氷川神社遷座、その後老朽化のため平成15年(2003年)に現在の新社殿が建立された。
また、映画「天気の子」*1の聖地としても有名で、今でもファンが参拝しているようだ。
 

気象神社は元々陸軍気象部で祀られていた神社で、戦後のGHQ神道指令に基づく調査の際に漏れたために存続できたという数奇な運命を辿っている。
 

伏見稲荷神社・稲荷神社・稲荷祠




気象神社の背後には末社が3社並んでいる。上の写真は1枚目が右、2枚目が真ん中、3枚目が左に建つ社だ。
それぞれに「正一位稲荷大明神」の幟が建っているけど、どれも扁額や由緒書は無い。
杉並区教育委員会が発行した『杉並の神社』*2には、末社の欄に伏見稲荷神社と稲荷神社が掲載されている他、写真や境内図も掲載されている。
1980年当時は右から気象神社、稲荷神社、伏見稲荷神社の順で並んでいたようだ。
当時の写真と現状を見比べると、現在一番右に建っているのは伏見稲荷神社、真ん中は稲荷神社ということになるんだろう。
一番右の石祠は本に記載がない。恐らく幟や狛狐からして稲荷祠だろう。
因みにこの本に御祭神に関する記述は無いけど、稲荷神社なので御祭神は稲荷大神か。
 

御嶽神社日枝神社


気象神社の参道にある氷川神社の由緒書の掲示には、「末社には気象神社、稲荷神社、御嶽神社日枝神社が祀られている」とあるけど、この2社は境内にはどこにも社殿が見当たらない。
また先述の『杉並の神社』には、「御嶽神社日枝神社気象神社(以上合殿)」との記載がある。
このことからすると、現在でも御嶽神社日枝神社気象神社に合殿として祀られているのかもしれない。
なお、御嶽神社日枝神社共に御祭神に関する記述は無いので詳細不明。
 

【高円寺氷川神社
住 所:東京都杉並区高円寺南4-44-19
御祭神:素戔嗚尊
境内社気象神社(御祭神:八意思兼命
    稲荷神社(御祭神:稲荷大神?)
    伏見稲荷神社(御祭神:稲荷大神?)
    稲荷祠(御祭神:稲荷大神?)
    御嶽神社(御祭神:不明)
    日枝神社(御祭神:不明)
建 立:不明
H P:高円寺氷川神社
 

 
今回は以上。
次回は簡易更新。
 

脚注

*1:新海誠監督、2019年公開

*2:文化財シリーズ24 杉並の神社』(杉並区教育委員会、1980年)23~25頁、74~75頁