燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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千日前榎龍王と榎地蔵尊

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はじめに

今回は大阪・ミナミの千日前榎龍王と、その隣にある榎地蔵尊について。
 

千日前榎龍王


なんばウォークB21番出口を出ると、目の前にミナミ千日前商店街の入口が見える。
ローソンの所で路地に入ると、右手に千日前榎龍王が見える。
 

由緒書によると、明治4年1871年)にこの地にあった榎神社が区画整理で取り壊しとなり、更に境内の榎を伐採しようとした際に事故が続発。神官に相談した所榎に宿る白蛇の仕業だと言われたため、その白蛇を祀ったことに始まるとのこと。
白蛇は龍となるとされているため、ここも龍神として祀ったらしい。
御利益は商売繁盛、福徳開運、夫婦和合、運気上昇。
 

手水舎も水の出口が龍の頭になっている。
でも「水」とだけ書いてあるのは珍しい気がする。
 

社殿はというと……………………
 

………………………無い。
 

台座の上にポツンと立札がある。
曰く、先日の記事にも書いた大和田住吉神社と同じく、2018年の台風21号で被害を受けたようだ。
たまたま行った時は修復中で、御神体は難波八阪神社遷座していた。
 

本来はこんな感じで社殿があったらしい。
立札には2019年中に復旧する旨が書いてあったので、恐らく今は元通り社殿が建っていることだろう。
 

地蔵尊


千日前榎龍王の真横には榎地蔵尊が祀られている。
こちらのお堂は恐らく無事だったようだ。
 

【千日前榎龍王
住 所:大阪府大阪市中央区千日前2-8
御祭神:千日前榎龍王
社祠等:榎地蔵尊(御本尊:地蔵尊
建 立:明治4年
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回は榎龍王遷座していた難波八阪神社
 

脚注

阪神高速高架下の白天宮

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はじめに

今回は簡易更新。
2019年の大阪、阪神高速高架下に鎮座する白天宮について。
 

白天宮


大和田住吉神社から西の方、神崎川沿いの阪神高速の高架下に白天宮は祀られている。
出来島第一公園の辺りから入らないといけないので微妙に分かりにくい。
 

境内地はさほど広くはないが、綺麗に保たれている。地元住民の崇敬が篤いのだろう。
 


第一鳥居の横には由緒書の石碑が建っている。
これによれば「町民が巳さんの祟りと恐れて、祠を建て祀った」とあり、巳神信仰の神社のようだ。
昨日の記事で書いた大和田住吉神社に合祀された皇大神宮は、この辺りで祀られていたようだ。
裏面は崇敬者のコメントとなっている。
 

覆屋


この茶色の覆屋がメインの建物だ。
流石に内部の写真は気が引けるので撮らなかったが、中には3つの社が祀られていた。
中央の社には「白天宮」の扁額があったので、これが巳さんを祀る社なのだろう。
左の社には「楠富龍王・楠玉龍王・楠髙龍王」の扁額と、その後ろに「白光大神」の扁額があった。
右の社には「蔵持大神・不動明王」という扁額があった。
楠富龍王や蔵持大神などは聞いたことのない神名で、詳細は不明だ*1
 

不動明王像・開山行者佐藤精龍之碑


覆屋の横には不動明王像が祀られている。黒々とした立派なお不動さんだ。
不動明王の左側には開山行者佐藤精龍之碑があるが詳細は不明。
 

【白天宮】
住 所:大阪府大阪市西淀川区出来島1-10
御祭神:巳さん
社祠等:境内社(名称不明/御祭神:楠富龍王、楠玉龍王、楠髙龍王、白光大神)
    境内社(名称不明/御祭神:蔵持大神、不動明王
    不動明王
建 立:不明
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回は千日前榎龍王
 

脚注

*1:この聞き覚えのない神名は、稲荷山のお塚で見かける神名に近いものがある印象だ。

西淀川区の大和田住吉神社

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はじめに

今回は2019年に参拝した、大阪市西淀川区の大和田住吉神社について。
 

大和田住吉神社


阪神千船駅で電車を降りる。周辺は至って普通の住宅街だ。
千船駅があるのは佃という地区だ。東京には佃煮発祥の地である佃島という島があるけど、江戸時代にここ佃の漁民が移住したことに由来している。
 

駅の南にある千舟大橋を渡れば、そこは大和田という地区になる。
千舟大橋を渡ってから南西に徒歩3分くらいの位置に、今回の大和田住吉神社が鎮座している。
 

立派な鳥居が建っている。足が赤いのが特徴的だ。
だがその奥に広がる境内の建物は、どれも屋根にブルーシートがかかっているのが目立つ。
 

それもそのはずで、2018年の台風21号で本殿や境内社がダメージを受けたとのことだった*1
 

社殿


いかにも修理中といった感じだ。特に由緒書等も見当たらない。
『大和田郷土史会会報』*2収録の「大和田住吉神社のしおり」という記事によると、社伝に伝わる創建は842年9月19日。
御祭神は底筒男尊・中筒男尊・表筒男尊・神功皇后の四柱であるとのこと。
ただし、明治43年(1910年)に八幡神社を、明治44年(1911年)に皇大神宮を合祀したとのことなので、八幡大神天照大御神も祀られているのかもしれない。
 

稲荷社


境内入口の鳥居をくぐってすぐ左側に稲荷社が祀られている。
先述の通り、屋根にはブルーシートがかかっている。
由来書がないので詳細は不明ながら、稲荷社なので稲荷大神を祀るものと思われる。
 

金毘羅宮


本殿の左後ろには、金毘羅宮が祀られている。
やはり屋根にはブルーシートだ。
ここも由緒書は見当たらない。金毘羅宮なので大物主神を祀るのだろうか?
 

慰霊碑


本殿の右後ろには「和」と刻まれた六角柱の慰霊碑が建っている。
これは先述の『大和田郷土史会会報』によれば、日清戦争日中戦争の際の114柱と、太平洋戦争の際の89柱が慰霊されているらしい。
 

遥拝所


慰霊碑横には「遙拜所」「皇紀二千六百年記念」と書かれた石柱が建っている。
こちらも『大和田郷土史会会報』によると、戦時中に宮城遥拝をするために使われていたらしい。
皇紀2600年ということは、1940年の建立か。
 

【大和田住吉神社
住 所:大阪府大阪市西淀川区大和田5-20-20
御祭神:底筒男尊、中筒男尊、表筒男尊、神功皇后八幡大神?、天照大御神
社祠等:稲荷社(御祭神:稲荷大神?)
    金毘羅宮(御祭神:大物主神?)
    慰霊碑
    遥拝所
建 立:842年9月19日
H P:無し
 

 
今回は以上。
次回は大和田住吉神社近くの白天宮。
 

脚注

*1:なおこの台風21号は、近畿一円に甚大な被害をもたらした。寺社もかなり被害を受けている。

*2:『大和田郷土史会会報二十六号』(大和田郷土史会事務局、2014年)7〜13頁