龍光不動尊


松屋銀座の屋上へ上がると、自販機が並ぶ辺りの向かい側に龍光不動尊の立派な社殿が建っている。
この社殿は平安神宮や神田明神を設計した青池安太郎(宮内省勤務の技術者)の手によるものだ*1*2。
不動明王を祀るので神社というよりは御堂なのだが、毎年銀座で行われている「銀座八丁神社めぐり」というイベントには毎年エントリーされている*3。
由緒書の掲示によれば、ここに祀られる龍光不動明王像は鎌倉時代の作で、高野山龍光院に祀られていたものを昭和4年(1929年)に当地に祀ったとある。
転禍・願望成就・家内安全・商売繁盛といった御利益があるようだ。
また、「龍光」が「流行」に通じるとして、ファッション関係の御利益もあるらしい*4。


社殿の横に建つ「龍光不動尊縁起」という正木直彦という人の筆による石碑には、更に詳しいことが書いてある。
これによれば社殿内には龍光不動明王像以外に二童子像も安置されているらしい(脇侍ということだろう)。
以前は雪村居士という人物が念持仏として護持していたものが、その没後に縁あって銀座松屋に祀られることになったということのようだ。
なお『銀座の神々』という本によると、正木直彦は当時の松屋の顧問かつ正木美術院院長で龍光不動尊鎮座の仲介者、雪村居士は和田維四郎という人物であるらしい(石井、前掲書、231〜232頁)。
【龍光不動尊】
住 所:東京都中央区銀座3-6-1
松屋銀座屋上
御本尊:龍光不動明王
諸 仏:二童子
社祠等:無し
創 建:1929年5月
H P:松屋銀座HP
