燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

神社やら、旅行やら、過去の事やら。

出雲大社境外末社の大歳社

山陰山陽記事記事一覧
社寺祠堂巡り記事一覧
 

<2023年7月 記事内容改訂>

はじめに


前回の記事で書いた上宮から松江杵築往還を50mほど東へ進むと、大歳社(おおとしのやしろ)が右手側に鎮座している。

大歳社




大歳社は出雲大社末社だ。
御祭神はその名の通り大歳神を祀っている。
大歳神は『古事記』と『旧事紀』によれば、素戔嗚尊の子であり、大国御魂神・御年神・大山咋神大土神などの父であるとされる*1 *2
五穀豊穣を司る神とされる。
また『山城国風土記逸文によれば、荒海社という神社に御祭神として祀られていたらしい*3

なお更に詳細な情報はないかと『出雲大社由緒略記』を確認したが、特にこれ以上の情報は無かった*4

また、島根大学附属図書館が公開しているデジタルアーカイブ収録の『雲陽誌』を確認したところ、神門郡の3巻目の假宮の大歳明神の項目に「正保四年再興の棟札あり」との記述があり、少なくとも正保4年(1647年)には大歳社が存在していたらしい*5

【大歳社】
住 所:島根県出雲市大社町杵築北2961横
御祭神:大歳神
社祠等:無し
創 建:1647年以前
H P:出雲大社HP「摂末社」

脚注

*1:倉野憲司校注『古事記』[改版](岩波文庫、2007年)46, 61〜62頁

*2:溝口駒造訓註『旧事紀』(改造文庫、1943年)78, 91〜92頁

*3:武田祐吉編『風土記』(岩波文庫、1937年)272頁

*4:出雲大社社務所出雲大社由緒略記』[改訂41版](出雲大社社務所、2003年)48, 77頁

*5:黒沢長顕・斎藤豊仙・黒沢長尚編『雲陽誌 神門郡 3』(1717年)(島根大学附属図書館デジタルアーカイブでは67コマ)