燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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猪が有名な護王神社

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はじめに

今回は京都御苑内の向かいの護王神社について。
 

護王神社


京都御苑烏丸通を挟んだ向かい側に、和気清麻呂を祀る護王神社が鎮座している。
 

社殿



護王神社は創建年不詳ながら元は京都の北西の山中にある神護寺境内社で、明治19年1886年)に現在地に遷座
御祭神は和気清麻呂公命(護王大明神)と和気広虫姫命(子育明神)を祀り、更に藤原百川公命と路豊永卿命も祀られている。
和気清麻呂は宇佐八幡信託事件で道鏡皇位簒奪を阻止した人物として有名だ。
和気広虫清麻呂の姉で、戦災孤児等の育成に努めた。
藤原百川藤原式家の公卿で、配祀された清麻呂を支援した人物だ。
路豊永は、宇佐八幡に向かう清麻呂に対し道鏡皇位簒奪に否定的な意見を伝えたとされている。
 
御利益は足腰健康・病気怪我回復、厄・災難除け、亥年生まれ守護、子育・ 成長守護、喘息封じ、家内安全、商売繁盛、交通安全などらしい*1
 

祈祷殿


本殿横の祈祷殿も賽銭箱があり、参拝することができる。
柱に書かれた札を見る限り足腰守神と子育守神を祀っているようだ。
足腰守神は清麻呂、子育守神は広虫だろう。
 

伊勢神宮遥拝所


境内には伊勢神宮の遥拝所もある。
 

祖霊社(近衛社)



境内北東には末社が3社並んで鎮座している。
一番右は祖霊社で、近衛社(きんえいしゃ)とも呼ばれるとのこと*2
御祭神は護王神社宮司神職・役員総代、弘文院*3・護王亥子会*4の関係者・崇敬の御分霊を祀っている。
 

久邇宮家御霊殿


真ん中にあるのは久邇宮家御霊殿だ。
由緒書等は無いので詳細不明ながら、名前からすると久邇宮*5の祖霊を祀ると思われる。
 

警察消防招魂社



一番左は警察消防招魂社だ。
こちらも由緒書等は無いが、名前からして警察と消防の殉職者を祀っている社だろう。
 

その他


護王神社では各所に猪の像を見ることができる。
これは道鏡の策謀により配流途中の清麻呂が襲われた際に、300頭の猪が出現して清麻呂を防衛したと伝えられていることに因んでいる。
なお襲われた際に清麻呂は足が駄目になっていたが、猪出現後に歩行が可能になったとされていることが御利益の足腰健康・病気怪我回復に繋がっているのだろう。
 


これは入口の鳥居の脇にいる狛猪だ。
狛犬以外だと狛狐や狛狼は偶にあるが、狛猪は中々珍しいと思う。
 


手水舎も「霊猪手水舎」という名前で、猪の口から水が出ている。
 

御神木の招魂樹(おがたまのき)の根元に願かけ猪の像があり、座立亥串(くらたていぐし)という願いを書いた紙を挟んだ串が無数に立てられている。
これは他の神社では見られない珍しい願かけだ。
 


祈祷殿の近くにはチェーンソーアートの猪像まで展示してある。
中々に力強くて、素敵な作品だ。
 

護王神社
住 所:京都府京都市上京区桜鶴円町385
御祭神:和気清麻呂公命、和気広虫姫命、藤原百川公命、路豊永卿命
社祠等:祈祷殿(御祭神:足腰守神、子供守神)
    祖霊社(御祭神:護王神社関係者祖霊)
    久邇宮家御霊殿(御祭神:久邇宮家祖霊?)
    警察消防招魂社(御祭神:警察・消防の殉職者?)
    伊勢神宮遥拝所
創 建:不明
H P:護王神社
 

 

脚注

*1:護王神社HP「御神徳と信仰」による。

*2:社務所で頂いたパンフレットによる。

*3:清麻呂の遺志を継いだ息子の和気広世が開いた日本最古の大学別曹

*4:護王神社崇敬会。

*5:旧宮家伏見宮邦家親王後裔。