燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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芝東照宮と円山随身稲荷大明神

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はじめに

前回の記事はこちら
今回は芝東照宮と円山随身稲荷大明神について。
 

芝東照宮

社殿



芝公園の中にある芝東照宮は、徳川家康公を御祭神としている。創建は家康死去の翌年である1617年。
御神体は、家康が60歳の時に彫らせた等身大の自身の像だそうだ。この御神体は元々は増上寺の安国殿に祀られていた(というか東照宮神仏分離以前は安国殿だった)ものという。
かつての社殿は国宝に指定されていたが、戦災で焼失。現在の社殿は戦後に復興されたものとなっている。
 

公孫樹


東照宮の境内は芝公園の内部にあるので、様々な植物が植えられており、緑豊かである。その中でも特に、境内の大イチョウが有名ではないかと思う。この木は徳川家光が1641年に安国殿を再建した際に自ら植えたと伝わる。植えられてから400年近く経っているので、かなりの大きさである。天然記念物になっているらしく、横の石柱には「天然紀念物 芝東照宮ノ公孫樹」*1と刻まれている。
 

円山随身稲荷大明神


芝東照宮の隣接地には芝丸山古墳という都内最大の前方後円墳が存在する。ここの石段は上ると結構疲れるので、その大きさを嫌でも実感させられる。
 



その芝丸山古墳の中ほどに、円山随身稲荷大明神という神社が鎮座している。
『東京都神社名鑑』の東照宮の記事に書かれている、「境内神社 丸山稲荷(倉稲魂命)」*2とあるのがこの神社のことであると思われる。
ただ、由緒書の看板には芝東照宮の記述は無く、増上寺の裏鬼門の鎮守ということしか書かれていない(というか、この由緒書も増上寺が設置したものである)。
そもそも都教育庁東京都文化財情報データベースによると、芝丸山古墳自体が増上寺の所有物であるらしい。
なので円山随身稲荷が芝東照宮増上寺のどちらに属しているのか、正確にはよく分からない。
  

芝東照宮
住 所:東京都港区芝公園4-8-10
御祭神:徳川家康
社祠等:円山随身稲荷大明神(御祭神:倉稲魂命
創 建:1617年
H P:芝東照宮
 

 


 
今回は以上。
次回は伏見三寳稲荷神社へ。
 

脚注

*1:「天然紀念物」表記は原文ママ。「公孫樹」はイチョウのこと。

*2:東京都神社庁・編『東京都神社名鑑 上巻』(1986年) 114頁