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<2022年3月 記事内容改訂>
はじめに
今更ですがあけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
今年1回目の更新は、千本鳥居を抜けた先にある新池堤というエリアについて。
今までの稲荷山の記事はこちら。
マップは以下の通り。
(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)
新池堤
千本鳥居から
奥社奉拝所から千本鳥居を抜ける(或いは福徳社方面から横道を抜ける)と、目の前に無数のお塚が並ぶ光景が目に入る。
きっちりと社殿や覆屋があるものから、ポツンと1つ建っているだけのものまで大小様々だ。
このエリアは、『お山のお塚』によれば「新池堤」と呼ばれるエリアらしい*1。
新池(谺ヶ池)
千本鳥居の先の階段を上ると、眼前に巨大な池が現れる。
これが新池で、別名を谺ヶ池という。
谺ヶ池の名は、恐らく後述の参拝方法に因るものではないかと思う。
新池は他に、小玉池*2、小玉ヶ池*3、光玉池*4などの呼び名もある。
福繁大神・大岩大神・白玉大神
新池に続く階段の下の辺りにある祠で、福繁大神・大岩大神・白玉大神を祀る。
以前は鳥居に扁額が掛かっていて神名が書かれていたが、9月に行った時には見当たらなかったので修理中だろうか。
奉納された小鳥居が多く、崇敬者が多いことが分かる。
白光大明神・成㓛大明神・三黒大明神
先程の祠からは少し上がった場所にあるお塚で、白光大明神・成㓛大明神*5・三黒大明神を祀る。
由緒はどれも不明。
それにしても成㓛大明神とは中々に縁起が良さそうな名前だ。
繁吉大神、正一位菊原稲荷大明神
このエリアの一番奥の斜面上にもよく見るとお塚が2つ並んでいる。
右は繁吉大神、左は正一位菊原稲荷大明神だ。
こんな斜面に建立して、地震や台風などで崩落しないのだろうかと心配になる。
仮に崩落した場合、管理者が健在なら良いが、管理者不在の場合はどうなるんだろうか。
難切り不動尊
難切り不動尊は新池沿いに鎮座している。
由緒は分からないが、名前からして悪縁や困難を断つ不動尊だろうか。
奉納された千羽鶴がカラフルで実に美しい。
なお、熊鷹社参拝時はこの不動尊の横から池に向かって柏手を打つ(後述)。
御瀧大神・大元稲荷大神・地瀧大神・伏見大神、梅森大神
御瀧大神、大元稲荷大神、地瀧大神、伏見大神と梅森大神のお塚が並んで建っている。
由緒は不明ながら、伏見大神というこの伏見の地の名前を冠した神名に思わず興味を惹かれてしまった。
因みに『お山のお塚』によれば、稲荷山に伏見大神の神名のお塚は5基あるらしい*6。
また、梅森大神の「森」の下の木×2の部分について、同じ文字が3つある時の略し方である斜めの点4つ(壘→塁、澁→渋、攝→摂などと同様の略し方)になっているのが味わい深い。
髙宮大神・鷗大神
こちらは髙宮大神と鷗大神。
鳥の名前を冠した神名のお塚は、たまに見かける印象がある*7。
よく考えると、後で紹介する熊鷹社も熊鷹だから鳥だ。
瓢箪山戸川大神・玉姫大神
新池を背に建つのは、瓢箪山戸川大神と玉姫大神が祀られたお塚だ。
なんといってもユニークなのは、瓢箪山戸川大神の「瓢箪」の部分が字ではなく、瓢箪のイラストで示されている点だろう。
稲荷山にある「瓢箪山〇〇大神」と言う名前の神名が刻まれたお塚の幾つかでは、同様に瓢箪イラストが刻まれている。
それらも後々可能なら紹介していきたい。
なお、後述の熊鷹社の所の茶店に貼られた参拝方法によれば、玉姫大神は縁結びの神様であるとのこと。
髙熊大明神
こちらも新池を背にして建つ髙熊大明神のお塚だ。
このお塚は「熊」の字が「ム+白+ヒ+ヒ+大」で書かれた異体字なのが面白い。
熊鷹社
熊鷹社はこのエリアで一番メインの社だ。
巨大な覆屋の下、蝋燭の火に囲まれて熊鷹稲荷大神と刻まれたお塚が祀られている。
参拝した際には、ここの神前で読経している人が居たのが印象的だった。
因みに高島屋百貨店の京都店屋上の熊鷹稲荷大神と新宿店屋上の熊鷹社は、この熊鷹社の御分霊を祀っている。
熊鷹社向かいの竹屋には、熊鷹社の参拝方法が書かれた紙が貼られている。
曰く、まず熊鷹社にて蝋燭等を供えてから祈願し、難切り不動尊の横(上の写真の2枚目の辺り)から池に向かって二拍手すると、こだまが返ってきた方角が幸運の方角であるとのこと。
しかもこだまが早く返ってきたら祈願成就は早く、遅く返ってきたら祈願成就は遅いということらしい。