燈蓮寺伽藍堂 -RISING FALCON-

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稲荷山⑦:千本鳥居横のマイナースポット・伝法池とその北部

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はじめに

12月は仕事が忙しく、記事を書く暇がなかなか無かった……。
という訳で、今年最後の記事を更新。
今回は千本鳥居のすぐ傍なのに全然人が居ない「伝法池」というエリアと、その北側について。
 
今までの稲荷山の記事はこちら
 
マップは以下の通り。(※画像が粗い場合は、クリックした先で「オリジナルサイズを表示」を選ぶと大きいサイズが表示される。)

 

千本鳥居より


奥社奉拝所から熊鷹社へ向かう千本鳥居の途中(根上り松より先の所)に、横へ抜ける小道と交差するがある場所がある。その小道を東へ進むと、伝法池と呼ばれるエリアに出る。
 

神道御徳社

本部



伝法池の入口の鳥居をくぐると、多数のお塚が並ぶ神塚が目の前に現れる。その神塚の横の小道を進んだ先には神道御徳社の本部の建物がある。ここが神塚を管理している。
エリア名の伝法池というのは、かつてこの本部建物の前(神塚やその周囲の草木が生い茂ってる辺り)に同名の池があったことに由来している。
因みにちょっと調べたところ、伝法焼という料理があって、かつては伝法池の土から作った土器を用いて焼いたため、この名が付いたという話もあるらしい(流石に真偽詳細の程は自分には分からないけど)。
 

神塚


伝法池のお塚は、この神塚と呼ばれる大きな土台の上に無数に並んでいる。
一番中央に大きく鎮座したお塚には「天照皇日大祖大御神」*1と刻まれている。他のお塚も、「素盞嗚大御神」「稻荷大御神」「鴨大神」「長者合搥大御神」*2など、よく聞く神名から耳慣れない神名まで、とにかく多種多様だ。
 
 

因みに神塚の横の別の台座に一つだけお塚が建っている。こちらは白龍大神、長者大神、末鷹大神が祀られている。
 
 


ところでこの神塚、9月に行った時には立入禁止になっていた。上部が陥没してしまったらしく、お塚が全て降ろされていた。
なお、修復工事は11月に完了したようだ。
 

【神塚】
御祭神:天照皇日大祖大御神、素盞嗚大御神、稻荷大御神、鴨大神、長者合搥大御神など
 

 

月日之宮本宮

鳥居


神塚の左側に隣接して、月日之宮本宮がある。こちらは神道御徳社とはまた別の教団となっている。
 
 

因みにこの月日之宮本宮、稲荷山にあるのは第二本宮で、一番メインの場所は鴨川に架かる勧進橋の近くにある。
 

おかげ塚


鳥居の先へ進んでいくと、おかげ塚が見えてくる。
たまたま今回行った時は管理されている方がいらっしゃったので、お話を伺うことができた。曰く、天照大御神を祀っているのだそうだ。
また参拝の作法も普通の神社とは異なる。普通の神社では二礼二拍手一礼だが、ここでは三拍手三拍手三拍手の後で鈴を鳴らす際に一礼とのことだ。
 

菩提塚、供養塚



おかげ塚の近くには菩提塚と供養塚の2つが建っている。これらはどちらも月日之宮関係者の御霊を祀っている。
 

【月日之宮本宮】
(おかげ塚)御祭神:天照大御神
(菩提塚、供養塚)御祭神:月日之宮関係者の御霊
 

 

伝法池の北

伝法池から



月日之宮本宮のすぐ横から、草むらの中へと伸びる一筋の道があり、この先にもお塚が鎮座するエリアがある。
伏見稲荷大社の調査記録『続お山のお塚』の中で「伝法池の北」と書かれているエリアがここに当たる。
 

金龍大神、福徳大神、戸光津大神



先程の道を進むと、右手に鳥居が見える。ここが「伝法池の北」だ。
鳥居をくぐった先には、右から金龍大神、福徳大神、戸光津大神のお塚がある。台座に刻まれている「瑞穂講社」とは、伏見稲荷大社の講務本庁の前身だ。
 

金力大神


金龍大神の右手前辺りに祀られるのは金力大神。由緒はよく分からないけど、なんだか金運を司ってくれそうな神名だ。
 

鬼光大神・鬼吉大神、鬼鷹大神、福壽大神




福徳大神に向かって左手側には、鬼光大神と鬼吉大神、鬼鷹大神、福壽大神のお塚がある。
鬼がつく神名が多いのが印象的だ。
 

順貞大神・權太夫大神・順光大神、繁栄大神・春秀大神・末峯大神



拝殿の柱を見ると、「奥も参拝して下さい」と書かれたホワイトボードが目に留まる。
どうやらこの空き缶などが吊るされた物置小屋を抜けた先にもまだお塚があるらしい。意を決して先へ進む。
 
 


小屋を抜けたすぐ先に、順貞大神、權太夫大神、順光大神を祀るお塚と繁栄大神、春秀大神、末峯大神を祀るお塚が並んで建っている。
太夫大神は荒神峰の田中社神蹟に祀られる神で、大国主命の別名とされている。それ以外の神名の詳細は不明だ。
 
 

なお先述のホワイトボードには一本杉大神の名前も記載されていたが、その方向を見渡しても草木が生い茂り蜘蛛の巣があちこちに張られているばかりで、それらしきお塚は発見出来ず。
 

余談




このエリアに隣接する建物は、多数が倒壊していて廃墟と化している。中々にインパクトのある光景だ。恐らく2018年に近畿一帯に甚大な被害を与えた台風21号によるものではないかと思う。
 

【伝法池の北】
御祭神:金龍大神、福徳大神、戸光津大神など
 

 
今回は以上。
次回は熊鷹社とその周辺のお塚について。
 

脚注

*1:恐らくは天照大御神のことなのだろう。

*2:稲荷山の長者社神蹟(御劔社)には、刀匠・三条宗近が小狐丸を鍛えた際に用いた井戸がある。また、宗近が小狐丸を鍛えた際に、稲荷神が宗近を助けて合槌を打ったとされている。恐らくはこの辺りに由来する神名だろう。